「機動戦士ガンダム戦記」初回生産分のみに視聴用のプロダクトコードが封入される、特典映像「機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル」。この映像がついに完成したということで、この映像の内容に迫るべく、制作を担当したサンライズ第7スタジオに突撃インタビューを行いました! 今回、お話をお聞きしたのはゲームのチーフプロデューサーで、アバンタイトルのプロデューサーの稲垣浩文さん、そして映像制作のプロデュースを担当されたサンライズの梅崎淳志さんです。




− 今回「機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル」という映像を作ることになったきっかけを教えてください。

稲垣  「機動戦士ガンダム戦記」ではゲームのストーリー部分を補完するために、アニメーション映像を「劇場版 機動戦士Zガンダム」などを制作された、サンライズの第7スタジオさんに制作をして頂きました。背景とモビルスーツは3DCGで、キャラクターを2Dアニメで合成するという、これまでに無い手法で制作しています。そんな中で、第7スタジオさん側から「ゲームの映像だけではもったいない。アニメーションフィルムを作りませんか?」というご提案を頂いたのが最初のきっかけです。

梅崎  今回、サンライズ第7スタジオでは映像の制作だけではなく、キャラクターデザインを鈴木竜也さんが手がけたり、ゲーム全体の演出に遠藤広隆さんの意見を反映させてもらったりと広く参加させて頂きました。そのような中で映像の制作も終了し「このままプロジェクトを終わらせるのは惜しいよね」という意見がスタッフの中からも出てきたんです。

− 映像の舞台は1年戦争の最後の戦いである「ア・バオア・クーの戦い」ですが、ここを選ばれた経緯を教えてください。

梅崎  それでスタッフを集めてアイディア会議を開いて、どういうフィルムを作ろうかと話し合いました。
1つの案が今回制作した「ア・バオア・クーの戦い」で、もう1つの案は、今回のゲームの目玉になっているガンダム7号機やイフリート・ナハト、RX-81などが戦う映像、というものもありました。最後はみんなの意見で「ア・バオア・クーの戦い」が見たい、描きたい(笑)ということでまとまりました。

稲垣  2人の主人公、ユーグとエリクはゲーム中では宇宙世紀0081年で戦っているわけですが、それよりも前、1年戦争中も彼等は兵士だった訳です。だったら彼等はどこかで戦っていたんじゃないだろうか。それはどこだろう? それはやっぱり最終決戦「ア・バオア・クーの戦い」でしょう!、と(笑)

梅崎  2人は直接出会ってはいないんですが、同じ戦場で戦っていたんじゃないかなぁ、という感じで決まりましたね。
今回、ゲームのストーリーに「水天の涙作戦」というものが登場するんです。実はその作戦は1年戦争の時から動いていたという形にして、この映像をゲームを遊ぶ前に見て頂いたときに、ゲームをやって作戦を成功させたい!と思ってもらえるような映像にしたいと考えていました。

稲垣  ゲームの映像ではモビルスーツがCGだったので、作画スタッフさんたちは、モビルスーツも描きたかったんですよね(笑)

梅崎  そうですね、それもありましたね(笑) エフェクトなども全てCGだったので、1年戦争中の彼等の活躍を1から描いてみたい、というのもありました。ここ最近、1年戦争系の映像をアニメスタッフで作る機会が無かったんです。その機会を稲垣さんに作って頂いたという感じですね。だったらチャンスは最大限に生かそうということで、モビルスーツも一杯、原作のフィルムを逸脱しないように、見どころ満載で行かせて頂きました。30周年ですし(笑)

稲垣  舞台は「ア・バオア・クー」と決まったので、次はどんなモビルスーツを登場させるかなのですが、あの宙域にどんな機体が居たんだろうかと話し合い、ゲルググキャノンやジム・コマンド、またバンダイ ホビー事業部とも相談してジム・キャノンやビグロの登場が決まりました。

梅崎  基本は元の映像が作られた当時のアニメの設定資料を基にしているのですが、今回、ホビー事業部さんにも資料面でご協力頂いています。

梅崎  そのような感じで昔の設定を元に作画しています。ですが今風の影付けや色味の調整をすると、ちゃんと最新の映像に見えるんですよ。実は劇場版のZガンダムをやったときも基本的に昔の設定画を使用しています。

稲垣  もちろんゲームとの関連付けも考えていろいろと決定していっています。ゲームでは、主人公のユーグがジム・コマンド地上戦仕様に乗ってスタートしますが、アバンタイトルでは、ジム・コマンド宇宙戦仕様に乗っていたり、ジオン側のエリクは「アバンタイトル」ではゲルググに乗っているけれども専用色になっていて、ゲームの最初の旧ザクのカラーリングに合わせていたりします。

梅崎  ユーグのジム・コマンドも最初はファーストのメカの中に入れると印象が浮くかなと思ったんですが、映えて見えたので良かったですね。ジム・コマンドと普通のジムが並んで登場しても違和感は無かったのでホッとしました(笑)実はユーグ機もユーグ専用色で、バルカン砲の部分や胸のダクト、カメラアイなどの色を変えています。

− メカだけでなく補給シーンなどの戦場の描写が印象的でした。

稲垣  ゲーム中では弾薬の補充やAPの回復のために補給が重要になっていますので、補給シーンを入れて欲しい、というお話をさせていただきました。うまくまとめて頂きましたね

梅崎  そうですね。松尾監督の提案でバルカン砲の補給シーンや、コロンブスによるサラミスの補給シーンを新設定を作って入れています。サラミスのおなかの部分にジムを並べて補給できるようにしました。昔はサラミスのおなかのヒレは放熱版かな、と思っていたんですが、今回は防弾板として解釈しています。下から撃たれたらあまり防弾板の意味は無いかもしれませんけど。実際、下からビグロに襲われていますしね(笑)

稲垣  ビグロが3機登場しますね。劇場版「めぐりあい宇宙」にチラっと遠景で3機のビグロが出ているんですよ。ひょっとしたらその3機がここに来ちゃったのかもしれない。これを見てだれか「サラミスのおなか再現」のジオラマを作って欲しいんですよねぇ。

− キャラクターは新規で描き起こしていますね。

梅崎 ユーグもエリクも、ゲーム中のパイロットスーツと違う1年戦争バージョンの新設定です。ぜひ注目してください。エリクはジオン公国の中で良家の出身という設定なので、まだ若いんですが機体は専用色でヘルメットも特注です(笑)

梅崎  今回は限られた尺の中で、観ていただいたお客様にどれだけサービスを提供できるか、ということを松尾監督と考えました。そこではじめに「とにかく持っている武器は全部使う」というコンセプトを決めました。やはり基本はメカ戦ですから(笑)。ですので、登場するメカはバルカン砲からビームライフル、サーベルなど武器は全て使うようにしています。

− 前半の見せ場ではリック・ドムがビームバズーカを使ったりしていますよね。

梅崎  はじめはビームバズーカも使用する予定は無かったんですが、松尾監督がどうしてもこの後のカットでユーグにビームを避けさせたいということで登場しました。「MS-09RS リック・ドム」というスペシャルなリック・ドムがビームバズーカを撃ちます。見た目は一緒なんですが、内部はすごいビーム兵器が使えるドムなんです。全部避けられてあまり役には立ってなかったですけどね(笑) ビームバズーカは過去のフィルムに登場していないので、プラモデルのマスターグレードの説明書を元に作画しています。

稲垣  ユーグがゲルググ・キャノンと戦っているときに蹴ったりしてるじゃないですか。「劇場版 機動戦士Zガンダム」のアッシマーやガルバルディβとの戦闘シーンを思い出しました。

梅崎  ガルバルディβの戦闘シーンは鈴木竜也さんが原画を担当されたシーンです。殴り合いなどは特に上手い方なんですよ。

稲垣  ガンダムのゲームを作っていると、どうしてもライフルで撃ったり、ビームサーベルで切ったりというところが中心になってしまうんです。だけど映像を見ていると、モビルスーツは人型というだけあって、ちゃんと格闘戦で戦っているんですよね。考えてみれば「ファースト・ガンダム」でも「逆襲のシャア」でも最後は殴り合いみたいな所はありましたし。

梅崎  アニメの方でも最近はあまり殴り合いをしていないので、自分たちも反省しないといけませんね。今回はお客様にも格闘戦を是非見て頂きたかったので手も足も出るアクションを使わせて頂きました。




さて、今回のインタビューはここまで! 次回は映像の後半部分の内容に迫ります!
「あの機体」も登場する後半については次回の更新をお待ちください!

こんなに盛りだくさんな特典映像「アバンタイトル」は初回版のみに視聴コードが封入されています。
ぜひ見逃さないためにも、早めのご予約をオススメします!


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